本記事では、以下のような悩みを抱えている方は、本記事の内容が参考になります。
- 求職サイトを見ても、60代向けの求人案件を見つけにくい
- 検討したい求人案件が、60代の人でも応募OKかわかりにくい
- そもそも60代向けの求人案件を紹介している転職サイトが少ない
60代の人が、コネなしで新たに転職することは、容易ではありません。私もイヤと言うほど経験しました。これにはいくつかの背景がありますが、その一つに「60代の人が使える転職サイト」が少ないことが挙げられます。
私もいくつかのサイトを活用してみましたが、「これは使える」と思ったサイトは数えるほどでした。
本記事では、この課題を少しでも解消するために、私の経験をもとに「60代の人が本当に活用できる」と思ったサイトを3つご紹介します。
60代の転職に便利な3つのサイト概要
本記事で紹介するサイトは、シニアジョブ、マイナビミドルシニア、はたらこねっとの3つです。いずれのサイトでも、求人案件を検索するときに「60代歓迎」のスクリーニングが可能です。概要は以下となります。
シニアジョブ | マイナビミドルシニア | はたらこねっと | |
60代歓迎の求人数* | 1,328(東京) | 4,761(東京) | 14,722(東京) |
60代応募可能な案件の絞込み | ○ | ○ | 〇 |
企業スカウト | 〇 | 〇 | 〇 |
気になる案件の保存 | 〇 | 〇 | 〇 |
匿名応募 | × | × | 〇 |
①シニアジョブ
「シニアジョブ」は、50代以上の人のための求人サイトです。全国の求人数は約4,500件です。
シニアジョブでは、「60代の人の応募がOKな求人案件」を簡単に検索できます。求人案件を探す際、歓迎年代として「60代」を選択できます。これを選択してから、地域、職種、雇用形態に絞っていくことがおススメの検索方法です。
具体的には、以下の手順を踏みます。
「歓迎年代から探す」で「60代」を選ぶ
「都道府県」「職種」「雇用形態・給与」を選択する
このサイトでは、求人数自体はそれほど多くありません。そのため、上述のように案件をスクリーニングしていくと、数件しか残らないケースもあります。
それでも、「60代の人の応募を歓迎する」という求人案件を簡単に見つけられるのは大きなメリットです。そして、絞り込んだ求人案件の内容をよく読みます。
例えば、案件のタイトルに「60歳以上も活躍中」という文言があったり、詳細項目に「過去には、60歳の採用実績がありますので、年齢に気負いせずご応募ください」という記載があれば、60代の人でも応募しやすくなるでしょう。
「シニアジョブ」の活用法
まずは会員登録を行いましょう。会員登録をしておけば、簡単に応募できるようになるだけでなく、企業からのスカウトも受けられます。
プロフィールには以下を入力します。30分もあればすべて記入できるでしょう。なお、個人情報(氏名や年齢など、「基本情報」にある項目)については、応募した企業以外は参照できません。
- 基本情報
- 学歴
- 資格等
- 希望条件
- 希望勤務地
- 在籍企業
- スキル
「シニアジョブ」の面白い点は、プロフィール内容をもとに、履歴書・職務経歴書を自動で作成してくれることです。この機能により、応募企業に履歴書を簡単に送付することができます。
ただ、しっかりと情報をプロフィール欄に記入しておかないと、情報が少ない履歴書や職務経歴書になってしまいますので、注意しましょう。
気になる求人案件を見つけたら、取りあえず「気になる」に保存しましょう。そのうえで、じっくり案件内容を確認・検討します。
「シニアジョブ」を利用する際、「よくある質問」も参照しておくと良いでしょう。
②マイナビミドルシニア
「マイナビミドルシニア」も、「40代 50代 60代の求人サイト」を謳っています。求人数は、前述の「シニアジョブ」とは異なり、東京都だけでも5,000件(60代歓迎案件)以上が掲載されています。
私もマイナビミドルシニアから、応募して面接まで行けた案件があります。
このサイトも、「活躍中の年代」から、「60代以上」を選ぶことができます。「60代が活躍している求人案件」を優先に探すなら、まずこれを選ぶようにします。
おススメの活用手順は、下記です。
「活躍中の年代から探す」で、「60代以上活躍中から探す」をチェック
「検索条件変更・追加」から、任意の項目を選択する
今後、この条件で繰り返し検索するのであれば、「この条件を保存する」をクリックして保存しておきます。
求人案件を絞り込んだら、候補の案件内容を確かめます。「マイナビミドルシニア」の良いところの一つに、各案件の「年齢構成」を確認できる点があります。同年代の人が多くいれば、応募するモチベーションも高まります。
仕事内容や応募資格で、年齢に関する記述については特に注目してみてください。
「マイナビミドルシニア」の活用法
事前に会員情報を登録しておくと、応募が簡単になります。会員情報の内容は下記となります。入力にはそれほど時間はかかりません。私は10分程度で入力できました。
なお、会員情報を登録しておけば、「企業からのオファー」を受け取ることが可能です。オファーとは、登録したプロフィールや経験に興味を持った求人企業から、マイページにメッセージが届く機能です。
「企業からのオファー」を受け取るか否かは、設定で簡単に行えます。
また、「マイナビミドルシニア」では、ミドル・シニア層向けの転職成功のためのノウハウ(「ミドルシニアのための転職成功ガイド」)は非常に役立つ情報が多く、必読と言えるでしょう。
注:上記リンクは地域が「東京都」になっていますが、トップページから「地域変更」が可能です。
③はたらこねっと
「はたらこねっと」は、「シニアジョブ」や「マイナビミドルシニア」とは異なり、シニア層に特化した求人サイトではありません。しかし、検索条件で「シニア(60代~)歓迎」というフィルタリング項目を選べます。
60代の人が求人検索する際は「シニア(60代~)歓迎」は必ずチェックを入れておきましょう。
検索手順としては以下となります。
「一発検索」で、「こだわり検索」の「すべての条件から検索」をクリック
「エリア」や「職種」など、その他の条件を入力
検索結果で注目したいのは、「多い年齢層」がどの年代かということです。
「はたらこねっと」では、「多い年齢層」として最高で50代までしか記載がありませんが、50代が多い年齢層ならチャンスがあるかもしれません。逆に、年齢層が若い人が多い場合は、慎重に検討したほうが良いでしょう。
また、仕事内容も、特に年齢関連の記載について詳しく見てみましょう。「50~60代も活躍」などの記載があれば、安心して応募ができます。
「はたらこねっと」の活用法
「はたらこねっと」のユニークな特長の一つに、「キニナル」があります。
「キニナル」は、文字通り「気になる」企業に対して匿名で応募できる機能です。匿名なので個人情報は伏せたまま、経歴やスキルなどを企業に対してアピールできます。
もし企業から返信が来れば、自信を持って応募できます。「応募したい気持ちだけど、いきなり行うには躊躇しちゃうな」という場合、便利です。転職活動の効率化として活用できます。
「キニナル」を利用するのは簡単です。気になる求人案件を「キープする」で一度検討リストに入れます。その後、そのキープしている案件にある「キニナル」をクリックすればOKです。
注:上記のリンクは「関東」エリアですが、他の地域に簡単に変更できます。
補足:「育児・障害・エイジレスのマッチングウェブサイト」
以上、60代の人が転職で活用できる3つのサイトを紹介しました。
ここで、上記3つのサイトとは別に、60代の人が活用できるサイトを紹介します。それが「育児・障害・エイジレスのマッチングウェブサイト」です。このサイトは、文字通り育児者、障碍者、エイジレスの人(満35歳以上)それぞれの求人サイトです。
先に紹介したサイトでは、60代の人歓迎の求人数が多くありましたが、このサイトでは60代の人歓迎の求人数は少な目です。そのため、補足情報として紹介しています。
運営は「一般社団法人 日本雇用環境整備機構」が行っており、同団体によれば、「エイジレスに理解ある職場整備をしている企業」が掲載されています。
厳密に言えば、ダイレクトに「60代向けの求人案件」をフィルタリングできるわけではありません。そこで、求人検索するときに一工夫が必要です。
その工夫とは、「フリーワード検索」に「60歳」や「60代」のような言葉を入れることです。
この検索により、60代でも応募OKな求人案件を絞り込むことができます。
ただ、「マイナビミドルシニア」や「はたらこねっと」のような多数のシニア向け求人案件は掲載されていません。とはいえ、少ないながらもフィルタリングで見つかった案件は、「60代の人でも採用に理解を示してくれる企業」であるはずです。
まとめ:サイトは複数を活用し、こまめに案件チェックしよう
以上、60代の人が転職で活用できる求人サイトを見てきました。一つ言えることは、60歳以降で転職する場合は、一つのサイトだけではなく、複数のサイトを活用したほうがよいという点です。
なぜなら、60代の求人案件数は少ないためです。60代向けの案件が掲載されても、すぐに埋まってしまうかもしれません。日ごろからこまめに案件チェックをしつつ、各サイトの機能(オファー、匿名応募、メール通知機能など)も併用しながら、転職活動すべきでしょう。
「定年後の転職」と「定年後の生き方」は密接にリンクする
私は60歳で定年退職して以来、2つの嘱託・アルバイト職を経験しました。いずれも短期に終わりましたが、その経験から「定年後に働くということ」について常に考え、悩み続けています。
「定年後の転職」と「定年後の生き方」は密接にリンクしています。私の場合、現役時代の仕事で経験した激務から解放されたあと、「アルバイトでもしながら悠々自適に定年後ライフを楽しむ」ことを画策していました。
しかし、それほど甘いものではないことを思い知りました。その理由はいくつかありますが、この点についてはいずれ別の記事で書きたいと思います。
「60代の転職サイトの活用」という主題からは離れますが、そうした悩みを解消するためのヒントを最近読んだ本からもらいました。60代で転職活動している人に参考になると思いますので、リンクを貼っておきます。
YouTubeの「本要約チャンネル」では、わかりやすい動画でこの本の内容が要約されています。
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