執筆者:福本明 【終活ガイド1級 ファイナンシャルプランナー2級 定年後の生活や現役時代の仕事経験などをブログで発信中】
- 先日の会議で、一言も発言できなかった。これはちょっとマズいかも。。
- 会議に参加しても、質問やコメントが思いつかない
- 会議で発言しようとしても躊躇してしまう
このような悩みを抱えていれば、本記事を読んでみてください。
実は私も、現役時代の最初のころは「会議で発言できないタイプ」でした。これは性格的な部分もありましたし、会議に参加するにあたって事前準備していなかったことも原因です。
外資系企業では、会議で発言しないと評価が下がるリスクがあります。「これではイカン」と思い、これから述べることを実践したおかげで、会議で活発に発言できるようになりました。
会議で発言できない原因を考えて、それぞれ対策していけば、会議で発言できるようになります。
本記事で解説している対策は5つあります。
- 議題を確認して、事前準備する
- 「この発言をすると笑われる」とは思わない
- 他人の発言にコメントする
- タイミングを見計らって勇気を出して発言する
- 議論をまとめる
- 伝達力を鍛える
会議で発言するための対策
会議で発言するためには以下の施策が有効です。
(1)議題を確認して、事前準備する
会議が招集されるとき、会議の起案者は議題(アジェンダ)を提示していますか?
もし議題が提示されているのなら、事前に確認して、疑問点をリストアップしておきます。
詳細な議題でなくても、「○○の件でミーティングをやります」というアナウンスであれば、その件について考えておき、同じように疑問点を整理しておきましょう。
さらに余裕があれば、疑問点だけでなく提案項目も考えてみます。
事前に会議に参加するメンツも見ておき、主催者の期待は何かを考えておきます。
例えば「売上を伸ばすための施策として販売パートナー施策を見直す」という会議が起案される場合を考えてみましょう。
このテーマで会議をする場合でも、疑問点はいろいろと浮かびます。以下はその例です。
これらを会議で発言していきます。
- 売上が伸びていない原因は何か。営業人員が足りないのか、販売パートナーが顧客に提案していないのか。
- 販売パートナーごとの売り上げトレンドはどうなっているのか。特定の販売パートナーだけの問題か
- 「販売パートナー施策」とは何か。既存の販売パートナーの提案力を強化するのか、新規の販売パートナーを開拓するのか、共同でイベントをやるのか、その他の施策はあるのか。
- 提案力強化の場合、どのような施策をやるのか。製品トレーニングをやるのか。やる場合の対象者は誰か。
- どの販売パートナーから声をかけていくのか。優先順位はあるのか。その理由は。
このような準備をせずに会議に臨んでも、発言は難しいでしょう。
会議までに時間がなく、急に招集された場合は、その場で疑問に思ったことだけでも発言しましょう。
事前準備でのポイントは以下です。
- 疑問を感じて聞くことは少しも恥ではないこと
- 少しでも発言することで、発言に対する自信がつき、以後発言しやすくなること
事前準備は会議で発言するための一番の対策です。
(2)「この発言をすると笑われる」とは思わない
発言するとき、「この発言すると笑われる」と考えないことです。
それが的外れな発言だったとしても、参加者はさほど気にしないものです。それどころか、「発言してくれてありがたい」と思われます。
これは自分が他人の発言を聞いたときのことを考えると想像が付きます。
また、ある人が「当然のこと」と考えていることも、他の人はそのように考えていないことがよくあります。
どうしても発言に自信がないときは?
もし発言に自信がないときは、発言の際、
「的外れかもしれませんが」
「初歩的な質問ですみませんが」
のような言葉を冒頭に付けると話しやすくなります。
あなたの発言が意見やフィードバックだった場合、会議メンバーによって否定されるかもしれません。それはそれで結果ですので、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と思い直して気にしないようにしましょう。
(3)他人の発言にコメントする
なかなか自分の発言が思いつかない場合は、他の人の発言に対するコメントをします。
例えば、先の会議の例で、誰かがこのような発言をしたとします。
「パートナーAに対する製品勉強会をすべきだ。最近この手の勉強会はしていないので」
このような発言に対して、あなたは以下のような発言が可能です。
「パートナーAに対する勉強会は良いですね。うちは新しい製品がリリースされていますが、正式な勉強会はまだしていません。対象はパートナーの担当営業とシステムエンジニアで良いのでは」
この例では、最初に発言した人の内容に同意して、さらにその理由と追加の提案をしています。
新しい提案までしないまでも、相手の発言に対してコメントし、その理由を述べるのも立派な発言です。他人の発言に対するコメントを考えていると、次第に自分自身の意見も言えるようになります。
(4) タイミングを常に見計らって勇気を出して発言する
積極的に発言する人に圧倒されて、なかなか発言できないケースがあります。
それでも発言のタイミングは必ずきますので、事前に発言内容を準備しつつ、機を見て勇気を出して発言しましょう。
親切な主催者であれば、会議の参加者に均等に発言の機会を与えます。
例えば「○○さんはどう思う?さっき△△さんはこう言っていたけど」のように。その時に自分の思いを素直に話せばOKです。
もしなかなか発言のタイミングがこない場合は、会議の最後に「何か質問、コメントは?」と主催者から問われたときに発言してもよいでしょう。
(5)議論をまとめる
「発言はあまり得意でないけれど、他人の意見をよく聞いて理解するのは得意」という人は、議論をまとめることも有効です。
会議での各参加者の発言をメモしておき、会議の結論が出そうなタイミングで以下のような発言をするのもありでしょう。
「では結論として、新規パートナー開拓ではなく既存パートナーの活性化を主眼に置くということ。そして、A社、B社をメインに声をかけ、新しい製品や販売戦略のトレーニングを実施する、ということですね?」
いろいろ議論がある中で、議論のポイントをきれいにまとめて述べるのも立派な発言です。
(6)伝達力を鍛える
事前に十分準備していたとしても、自分が考えていることを会議のメンバーに分かりやすく伝えることができなければ、発言の効果が半減します。
会議は、「会議主催者の目的や思惑は何か」「自分の発言が会議でどのような影響を与えるか」を把握したうえで、「自分の思うことを正確に相手に伝える」場であるためです。
そのためには場数を踏んで徐々に会議発言に慣れていくことが必要ですが、OJT以外でもコミュニケーション力を鍛える方法はあります。例えば以下のような講座を受講して、基礎を学ぶ方法です。
人間関係がうまくいく伝え方コミュニケーション検定こうした講座とOJTを組み合わせて実践していくことで、会議での発言の苦手意識を払拭できる可能性が高まります。
会議での発言力をさらに高めるヒントを書籍でつかむ
書籍でも会議の仕方を学ぶことができます。発言だけでなく、コミュニケーション術をはじめ、会議の効率化、時短テクニックなどを理解する良書がいくつかありますので、以下紹介します。
また、会議に限らず職場での説明力や意思伝達力向上のヒントを掴める本もあります。
会議の議題が思いつかないときは?
以上、会議で発言するためのポイントを見てきました。
「会議での発言が思いつかない」とは違う別のトピックとして、「会議での議題が思いつかない」があります。例えば、定例会議や上司との1 on 1で「何を話すか」に悩む場合です。
上司との1 on 1で「議題がない」場合は、「上司との面談で「話すことがない」を改善する6つの方法」を参照ください。
定例会議で議題が思いつかない場合は、以下のポイントをもとに日ごろ感じていることを議題にします。日常の仕事で「会議ネタになりそう」と感じたらメモしておきます。
あと、参加メンバーから議題のアイディアを募るのも良いでしょう。
- 売上を伸ばす方法
- 経費を削減する方法
- 仕事効率化の方法
- 無駄をなくす方法
- 職場環境改善方法
「会議意識調査」に見る「会議に対する不満」とは?
興味深い調査結果があります。株式会社アイランドクレアが実施した「会議意識調査」によれば、以下のような結果が出ています。
会議に対するお悩み1位は、「発言する人がだいたい決まっている」(48%)、3位には「あまり議論が白熱しない」が32%と、会議に対して消極的な姿勢が目立つ結果となりました。
株式会社アイランドクレア 会議意識調査 2019年6月
この調査から、会議の「発言」や「議論」に関する不満が多いことが見て取れます。この結果からも、会議での積極的な発言が重要であることが分かります。
会議で発言できない原因は?
先に述べた対策は、実は下記の「会議で発言ができない原因」に対するものです。
- 会議の趣旨や内容を十分に理解していない
- 「的外れな発言かも」と思ってしまい発言を引っ込める
- 性格が内向的で積極的な発言ができない
- 自分には関係ない内容と思う
会議の趣旨や内容を十分に理解していない
そもそも趣旨や内容を理解できていないと発言できません。内容を理解できていないところで無理に発言しようとしても、それは難しいでしょう。
「的外れな発言かも」と思ってしまい発言を引っ込める
会議で発言に躊躇する人は、「この発言(質問)をして、笑われないだろうか?」と思ってしまいます。それで発言を引っ込めるケースです。
性格が内向的で積極的な発言ができない
性格的な側面からくる項目です。会議では、積極的に発言する人(外交的な人)もいれば、あまりしゃべらない人(内向的な人)もいます。内向的な人は、外交的な人の発言頻度に圧倒され、発言機会をしばしば失います。
自分には関係ない内容と思う
「この会議は自分の仕事に関係があるのか?この会議に自分は不要だな」と思ってしまうケースです。また、「どうせ自分の意見は通らないだろう」と考えてしまうこともあります。
その場合は、なぜ自分が呼ばれているのか、を改めて考える必要があります。主催者は、部外者からの意見やアドバイスを求めているかもしれません。
会議で発言しないと「何を考えているかわからない」と思われる
会議での発言は必要不可欠です。
特に外資系企業では、会議で発言しない人は、「できない人」とまでは思われないものの、「何を考えているかわからない人」と思われます。
会議で無発言を繰り返していると、他でどんなに良い仕事をしても評価が下がるリスクがあります。
会議で発言しないと、その人は「この会議の内容に100%満足、同意、理解している」と見なされます。これはミーティングの主催者側からすると、不満が残ります。なぜなら、「100%満足、同意、理解している」はほぼありえないためです。
ミーティング主催者は会議で参加者からの何らかのフィードバックや意見を欲しいと思っています。
特にブレインストーミングや何かを決定する会議では、参加者の発言により方向性が決まることがあり、それだけ各自の発言は重要です。
まとめ
会議とは「意思決定の場だけでなく、あるトピックに関する気づきの場」です。
会議をしていると、ある人の発言が「他の人の思いもよらない内容」であることもあります。それが会議をやる目的の一つでもあります。的外れと思っても発言してみることです。
発言を繰り返していくうちに、慣れてきて「案外発言しても大丈夫だな」と思えるようになります。
そうなったらしめたものです。会議では発言できるタイミングが必ず来ます。そのときを逃さずに、勇気をもって話してみてください。
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