執筆者:福本明 【終活ガイド1級 ファイナンシャルプランナー2級 定年後の生活や現役時代の仕事経験などをブログで発信中】
本記事は、「ファイナンシャルプランナー2級」を独学で取得したい人向けに、私の経験をもとにノウハウを記載しています。以下のような悩みを持つ人には参考になります。
- なるべく時間とコストをかけずに、最短で合格したい
- 独学で学ぶにはどうしたらよいか、わからない
- 勉強の教材は何がよいのか
ファイナンシャルプランナー2級の合格率は、ここ数年ではおおむね40~50%(日本FP協会実施の場合)となっており、決して取得が難しい試験ではありません。(各年度における合格率は、日本FP協会のウェブサイトで見ることができます。)
しかし、裏を返せば半数近くの人が不合格になる試験でもあります。きちんと対策を施していないと、痛い目に合う可能性が高まります。
私はファイナンシャルプランナー3級を取得後、すぐに2級を受けて合格しました。一発で2級に合格したのは、私なりの勉強ノウハウを実践したおかげと考えています。
本記事では、そうしたノウハウをわかりやすく解説したいと思います。
ファイナンシャルプランナー2級に合格した「おすすめ勉強方法」
最初に結論を申し上げます。私は以下を実践しました。
- YouTubeで動画の活用:理解するために視聴する
- 参考書の活用:最初から順序だてて読もうとしない
- 過去問題演習:試験日の1ヵ月前から集中して取り組む
以下順番に詳しく見ていきましょう。
①YouTube動画の活用:理解するために視聴する
- 各分野を理解し、基礎知識を身につけるために視聴する
- 疑問点は参考書でチェックする
- 視聴はスキマ時間を活用する
私は最初にファイナンシャルプランナーの勉強を始めたとき、資格に関する予備知識はまったくありませんでした。そのため、参考書を読んでもほとんど頭に入っていきませんでした。
「参考書だけを読んでも合格はできない」と思った私は、YouTube動画を見てみることにしました。文章を読むよりは分かりやすいだろうと考えたためです。
ファイナンシャルプランナー関連の動画はいくつかありましたが、私が活用した動画は「ほんださん / 東大式FPチャンネル」です。いくつかの動画チャンネルを見比べた結果、このチャンネルが「一番理解しやすい」と感じたからです。
このチャンネルでは数多くの有益な動画がありますが、特に活用したのは「世界一わかりやすい2級・1級向けFP完全講義」です。これら動画は、「暗記に頼らない、真に理解すること」に力点を置いた講義で、非常に役立ちました。
ここで、各分野の最初の動画をご紹介します。動画数が多く、ここではすべてを紹介しきれませんので、詳しくはYouTubeページをご覧ください。
年金・社会保険
リスク管理・保険
金融資産運用
タックスプランニング
不動産
相続・事業承継
「数が多いな~」と思った人もいるでしょう。ファイナンシャルプランナー資格の場合、勉強範囲が広いので、これは仕方がない側面です。私の場合、スキマ時間に見たり、「今日はあまり勉強の気分ではないな」というときに見たりしました。そうすると、意外と多くの動画を見ることができます。
また、ほんださんの講義内容はわかりやすく、かつ短いので、視聴しても疲れにくい点もあります。ほとんどの動画は1本あたりの時間が10分~15分程度ですので、自分の都合や気分に応じて、続けて2~3本見てもよいですし、1本だけ見て休憩してもよいです。
面白いもので、動画を見たあとに参考書を読むと、いきなり参考書だけを読んだときと比べて、内容が頭に入ってきやすかったです。また、動画を見て疑問に思う点を参考書で調べて、より理解を深められたケースもあります。
「ほんださん / 東大式FPチャネル」で紹介されている参考書は、こちらです。講義の順番や章立てなどが動画内容と連動しますので、学習しやすいでしょう。
②参考書の活用:最初から順序だてて読もうとしない
- 最初から順序だてて読もうとしない
- YouTube動画、過去問演習と併用する
- 間違えた箇所、覚えにくい箇所に付箋を貼る
ファイナンシャルプランナーの勉強をしてみて感じたことは、「参考書は教材の中心になる」という点です。この意味は、動画視聴も、過去問演習も、学んだことを参考書で確認するということです。辞書的な使い方です。その意味で、何らかの参考書は1冊持っておくとよいでしょう。
とはいえ、最初から順序だてて読んでも素直に頭に入りにくいです。私は動画視聴や過去問演習の際、疑問点や不明点の解消のために参考書を開きました。
つまり参考書を活用する際のコツは、過去問演習と併用することです。過去問で間違えた問題があった場合、参考書も見ます。その際、「間違えた項目が書かれているページに付箋を貼っておき、後からいつでも参照できるようにしておく」ことです。
参考書は、1冊だけ購入しました。それがこちらです。私は受験時期の関係で22-23年度版を購入していますが、下記は23-24年度版です。
これは「ほんださん / 東大式FPチャンネル」とは異なる参考書です。理由は、ほんださんの動画を見る前に、既に購入していたためです。しかし、ファイナンシャルプランナーの勉強内容は参考書によって大きく異なることはありませんので、不便は感じませんでした。
私が上記参考書を選んだ理由は、最初にアマゾンで見たとき比較的評判が良かったと感じたためです。しかし、実際に手に取って見たわけではありませんので、実物が到着するまではどのような本なのか、まったくわかりませんでした。
実物を手にして思ったのは、「うわ~、これは分厚い!このボリュームだと全部は読み切れない」という点です。この参考書は2冊が入っており、それぞれ切り離すことができます。
1冊目が「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」をカバーし、365ページあります。2冊目が「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承」をカバーし、297ページあります。
合計で600ページを超えるテキストを一気に読もうとしましたが、私にはできませんでした。そこで作戦を変更し、前述のように動画と組合わせて勉強するようにしました。
動画と組合わせての活用法は、「動画視聴後、ざっと対応領域の参考書を読む」という点です。例えば、「生命保険の動画を視聴」したら、参考書の「生命保険」の部分を読む、ということです。これをやることで、内容の理解が深まります。
動画では解説されていない項目が参考書で書かれていることもありました。一般に、参考書のほうがより詳しく解説されているケースが多かったと思います。しかし、「内容の理解」に役立ったのは動画のほうでした。
③過去問題演習:問題の傾向を肌で感じるまで繰り返す
- 本の過去問題集を2周し、「FP2級ドットコム」でひたすら問題を解く
- 問題の傾向を肌で感じるまで繰り返す
- 間違えやすい問題は「ノートに書いて覚える」
- 試験直前の1ヵ月前に集中してやる
3番目の教材は「過去問」です。ファイナンシャルプランナー試験の問題に慣れるという意味では、過去問演習が一番役立ちます。特に、試験日が近くなったら、過去問演習を繰り返し行うことで記憶の定着が確かなものとなります。
過去問演習に関しては、2つのことをやりました。
一つは、市販の「FP2級問題集」を購入し、解くという点。もう一つが、「FP2級ドットコム」で過去問を解くという点です。以下、それぞれについて解説します。
FP2級問題集に取り組む
参考書の活用だけでは合格に届くかどうか不安だったので、参考書とは別に、問題集も購入しました。私が利用した問題集は下記です。
この問題集を選んだ理由は、「この本だけで97.5%の問題が解ける」という問題範囲の広さです。ただ、この本もページ数が多く(591ページ)、私は試験日から逆算して少し早めに取り組みました。
この問題集では、左ページが問題、右ページが解答と解説となっています。付属の赤シートを使って右ページの解答を隠しつつ、2周演習しました。不正解、あるいは理解があいまいな問題については、各問題にある四角いマークにチェックを入れておき、2周目ではそこだけを見直しました。
問題集を解くことは問題に慣れるという意味で、役立ちました。一方、試験直前期では次に述べる「FP2級ドットコム」に集中して取り組みました。
「FP2級ドットコム」でひたすら過去問を解く
過去問演習で役立つのが、「FP2級ドットコム」です。
このサイトは以下の特長があります。
- 豊富な過去問量:2013年から現在までのファイナンシャルプランナー2級の過去問を収録
- 解答だけでなく、解説も付いている
- 特定の試験回(例えば2023年1月)や、特定分野を指定できる
- 途中でやめても、やめたところから再開できる(無料のアカウント登録が必要)
- 学習歴を見たり、間違えた問題だけの復習ができる(無料のアカウント登録が必要)
これだけの特長を持つサイトが無料で利用できるとは驚きです。このサイトを利用する際は、アカウント登録が必須です。アカウント登録しておけば、パソコンだけでなく、タブレットやスマホからも再開して利用でき、移動時などのスキマ時間の有効活用が可能です。
「FP2級ドットコム」の効果的な活用法は、「試験日の1ヵ月くらいまえから集中的に活用する」という点です。私は1ヵ月半くらい前から、試験の当日まで演習していました。
以下が活用のコツです。
- 「不正解の問題、あるいは理解に自信がない問題」に関して、サイトに書かれている解説を丁寧に読む。
- 間違えた問題 / 自信がない問題については、参考書でもチェックする。記憶に定着していないところに付箋を貼っておき、復習する。
- 「何度も間違える問題」や「うっかり間違えた問題」についてはノートに書いておく。
過去問をやりこんでいくうちに実際に私が感じたことは、「問題の傾向が何となくわかるようになることと、正答率が上がると自信がついてくる」という点です。特に実技試験は、毎年同じような問題が出題されており、最後の仕上げとして過去問演習を繰り返し行うことで点の取りやすさを実感しました。
活用のコツで最後に挙げた「ノートに書く」については、自分が間違えやすい点をメモ程度に書くだけです。分かりにくくて恐縮ですが、以下のような感じです。
私は試験の約1ヵ月半くらいまえに、「2023年1月」の学科試験に挑戦してみました。そのときは合格ラインである60%の正答率に到達せず、ショックを受けました。本気で「このままでは受からない」と思いました。
そこから、過去問を重点的に学習するようにしました。YouTube動画は「理解の入り口」としては良いのですが、実際に解答力を養うのは過去問演習に勝るものはありません。
参考までに、ほんださんが書いた「FP2級 合格のトリセツ 過去問厳選模試」があります。こちらと併用すれば、より合格に近づくでしょう。
勉強期間は4ヵ月、時間は150時間
勉強期間については、合計で約4ヵ月です。勉強時間は、平均すると1日あたり1時間程度、勉強にあてた感じです。4ヵ月のうち、前半はYouTube動画の視聴が中心、後半は参考書と過去問演習が中心です。
毎日の平均勉強時間が1時間として、4ヵ月ですので計120時間くらいあり、加えてファイナンシャルプランナー3級時代から30時間程度は勉強しましたので、合計で150時間くらい勉強した計算です。
まとめ:ファイナンシャルプランナー2級合格までのロードマップ
今までの内容を図にまとめると、以下のようになります。
最初はYouTube動画だけを見ながら、まずは内容の理解に努めました。その後、動画でも分からないところを参考書で確認するようになりました。そして1ヶ月半くらい前から、過去問演習を集中的にやりました。動画視聴して基礎的な知識を身につけられたので、過去問演習も活きたのだと思います。
最後の1ヵ月は、集中して勉強した時期です。過去問演習を繰り返し行うことで、記憶の定着がしやすいと実感しました。結果、無事合格できました。
コメント